両手を腰にあて、ズンと反り返る。
「ほら、言えないでしょ?ならあたしは同席…「嫌だから!」
俯いて手を握り込む社長が、突然声を荒げる。
は?
ここはガラス張りの社長室。
その一部分にマヌケ面が写り込む。
うわ、あたし不細工じゃないか。
長年鏡で見てきたけど、1位を争うくらいに不細工。
嫌だからって、何が?
そんなわけのわからない感情であたしが引くとでも思ってんのか、バカ社長。
「納得いくわけがありません。もう少し真面目になさったら如何ですか?」
「……真面目に言ってるし。嫌なものは嫌なんだ。
だって……あの浜田社長って脂っぽいし、汗臭いし…」
「だから、そんなの理由にならないと言ってるんです。」
くだらなさ過ぎて話になんないわ。
もうため息しか出ないし。
「わかったよ、言うし。言えばいいんでしょ?言ったら来ちゃダメだからな!」
それが正当な理由ならね。