なんで心が暖かいのかは分からない。
いつもの奏ちゃんからは想像できないメールの文面。奏ちゃんとメールする人しか知らない奏ちゃんの側面。
今まで知らなかった奏ちゃんにまた心臓が激しく動き出した。
“なんでアタシのアドいったん？”
素朴な疑問を文字にして送信。絵文字なんて使う余裕がない。メールで女の子らしくするよりも“なんで？”“どうして？”という疑問ばかりが浮かんでくるから。
―ｳﾞｰｯ…ｳﾞｰｯ…ｳﾞｰｯ…
短いバイブ音。きっと奏ちゃんから。このメールを見るのが怖い…。“かわいそうだったから”なんてきてたら…どうすればいいの？だけど返さないわけにも…メールを見ないわけにもいかない…。
―カチッ
アタシは震える手で未読メールを開いた。
だけどそこにはアタシが思ってた言葉とは全く逆の言葉だった。
