「はい、じゃあ問題!俺の名前は何でしょうかー」
どっかのクイズ番組の司会みたいに尋ねる先輩。
あたしはそれに、笑って答えた。
「瀬戸、先輩」
「お、やった。覚えててくれた」
忘れるわけが、ないです。
なんて本音は口が裂けても言えないけれど。
「…あ、そういえば、今日遅刻した?」
「あたしがですか?」
「うん」
なんでそんなこと聞くんだろう、と疑問に思いながら、あたしは首を横に振った。
入学してから、遅刻はしたことないはず。
…たしか。
「じゃあ朝から職員室とか行ってた?」
「…? いえ…」
どうしたんだろう。
不思議なことを聞く先輩が読めない。