「ねぇ、かれん!挨拶行こうよ!!」


いきなり立ち上がった夏穂は、あたしの手首を掴んで。


「…えっ、ちょっ!夏穂!!」

「はやくしないと先輩達上がってくるよ!」


靴箱に向かって走り出した夏穂に引かれて教室を出る。


「夏穂っ…、恥ずかしいよっ」

「大丈夫だって!あたしの付き添いと思ってついてきて!お願い!」


どうしようどうしよう。

何話したらいいの?
名前?昨日のこと謝る?


夏穂の強引さには押されるけど、あたしだって嫌じゃない。


─ やっぱり、先輩と話せるようになりたいよ。