拳の型、足型を散々体に刻み込まれて地面に這い蹲る龍太郎の頭を。

「頑張ったねぇ、龍太郎…」

しゃがみ込んだ遡雫が『いい子いい子』と撫で、柿ピーがペロペロと頬を舐める。

彼女達なりの祝福だ。

更には。

「お?」

這い蹲ったまま顔を上げる龍太郎。

そこにはわざわざここまでやって来た小夜の姿があった。

背後には一人第三次世界大戦の姿も。

「ほれほれ、小夜っち」

ニヤニヤしながら背中を押す彼女に急かされ。

『あっ、あのっ、龍太郎君っ』

小夜は顔を赤くする。

『見てたよっ…かっこ良かったっ…すごくっ』

…無論、朴念仁の龍太郎に小夜の表情は読めないが。