見える、動ける、回避できる、勝てる!

綿毛のように騎馬から騎馬へと跳躍しながら、龍太郎は確かな手応えを感じていた。

…大方の予想通り、当初の戦況は赤組が圧倒的に不利だった。

人材だけで言えば、赤組でまともに使えそうなのは龍太郎のみ。

だが白組の誤算は、その龍太郎にあった。

白組がいい人材を揃えているといっても、それは所詮鍛えているだけの『人間』。

対して龍太郎は、日常的に『普通の人間以外』を相手に喧嘩三昧の日々を送っている。

そりゃあ端から見れば、敗北ばかりだろう。

いつ見てもフルボッコ、地面に這い蹲ってたり、仰向けに転がっていたり、時には女子生徒に地べたを舐めさせられていたり。

しかし龍太郎の相手している誰もが、白組の騎馬全員を相手にしても絶対に負けないほどの、一騎当千の強者なのだ。