｢返して欲しかったら…目瞑れ…」



千紘の瞳は涙で潤み始めていた。
そんな瞳で見つめられても怯む俺じゃない。


お前が俺に興味ないのなら…もう少し…慎重に扱ってやるが…
お前は俺に興味がある…なら…俺はもう遠慮なんかしない。



身体を少し震わせながら…千紘は瞳を閉じる。


そのまま俺は千紘の唇を奪った。


最初は軽く吸って、離し、千紘の様子を伺う。


瞳をおそるおそる開けようとする瞬間を狙って…また唇を奪った。



千紘の両手を拘束していた手を離して首の後ろに手を回した。



俺から顔を離せなくする為に。