声がした方を見ると…



さっきまで大の字で寝ていた美男子が、こちらを見ていた…。





『…何?』


一応返事をすると。



「あのさー、さっきから何考え込んでんの?」


眠そうで、それでいて真剣に聞いてくる美男子に、私は俯角にも驚いて。



『……それは………』



きちんと答えられなかった…。



てか、もしかして私がランチタイムを満喫してた時からそこに居たってこと?


え……まじか…。


『はああー…』



思わず溜息をついてしまう…


気づかなかった自分が情けない。





「…溜息なんかつくなよ。で?どうなんだ…?」



は?


意味分かんない。


何が、「どうなんだ?」よ…。



あんたに関係無いでしょ?



こんな事を言える程根性据わってない私は、心中で言いまくっていた。



「……オイ、聞いてんのかよ…。」



はっとして彼を見ると、彼は少し不機嫌な顔をしていた。



『聞いてます聞いてます。』


めんどくさい。


ちょーーめんどくさい。



「俺の話ちゃんと聞けよ」ってか?


…フザケンナ。



俺様かよ、この男…。



顔はいいのに…


中身は最悪だね。



「ほんっとに聞いてんのかよ。」



ムカっ



呆れたように言うこの男に、腹が立った。



『聞いてますけど。あんた、何回言ったら分かんの?あんた耳鼻科行った方がいいんじゃない?何ならいい耳鼻科教えてやろうか?あ、そっか、耳悪いから聞こえないんだよね。あー可哀相に。本当に、残念だ。』



皮肉を目一杯言ってやった。




男は目を見開いて、驚愕の表情を見せていた。






……そんなに驚くような事言ったっけ。



確かに皮肉は言ったけどさ…そんなに?!

ま、でも……
…してやったり。


そしてニヤリと笑ってやった。



ふと、男を見れば、男はさっきの表情とは打って変わって意味深気に口角を上げ笑っていた……。