・・・よし、いない。
 校門に誰もいないことを確認すると
 安心して学校に向かった。

 「うわー、高2の初日から遅刻してくるバカがいるー。」

 後ろから聞こえてくる声にびっくりして振り向いた。

 『げっ!!島崎柊っ!!(しまざきしゅう)』

 最悪。会いたくない奴に会ったし。
 島崎は高1で同クラになってから
 私に何かとちょっかい出してくる
 すっごーーーくヤな奴。
 やっと高2になってクラスはなれられるかもって思ってたのに
 朝からコイツに会うとかついてない!

 「『げっ!!』ってなんだよ失礼な!
  しかもフルネームで呼んでんじゃねーよ。
  っつーか初日から遅刻ってダセーな。
  福原夏乃。(ふくはらなつの)」

 そう言うと島崎はダルそうにカバンを肩にかけ
 私と並ぶように歩いた。

 なんやねん。島崎もフルネームでよんでんじゃん。
 でも遅刻が私だけじゃなくてよかったー!
 ・・・?私だけじゃない?・・・そうじゃん!!!