「んっ、」
「まだだ、りお」
「だ、め」
息ができない。
心臓が大きく音を立てる。
初めは奏さんについていけなかった体が今では気持ちについていける。
「やあっ、ダメ、奏さん!」
「もっと啼け!」
体の奥深くに奏さんがいて存在感が増す―――。
「んっ、やあっ」
「―――大丈夫か、りお?」
「え?」
「つい、いじめ過ぎたな」
視界がまだぼやけてる。
その霞んだ中で顔を赤くしたのは奏さんだった。
え?
奏さんの視線の先はわたしの首の辺り。
いったい何が…
「悪りぃな、痕をつけすぎた」
「…つけすぎ?」
奏さんの瞳がなぞる部分を指で辿る。
「ここに」
「え?」
鏡台の方へ奏さんが指差しする。
「見えるか?」
鏡に映ったのは首筋、胸元に咲く赤い花。
―――キスマーク!
「悪りぃな、他にもつけた」
「ええっ!」
慌てて体に巻いたシーツの中を覗き見る。
お腹にも太ももにも赤い花が咲き乱れてた。
「…奏さん、これじゃ」
部屋から一歩も出られないよ。
「出なきゃいいだろ。ってか、当分出さねぇし」
ベットの軋みが大きくなって更に奏さんが側に寄る。
「今日は寝かさねぇからな」
「え?ちょっ、あの、奏さん…」
「潤んだ目で見るなよ」
「だから、あの、違っ」
「理性ぶっ飛ぶだろ」
きゃあー!奏さんやめてぇ!
「―――ごちそうさん」
わたしの胸元に噛みついた奏さんが満足げに笑った。
奏さんの写真【完】
とりあえず番外編3作品入れてみました。
また追加していきますのでよろしくお願いします
(^o^)
わたしの尊敬するイラストレーターのAprilさんに作品の表紙を描いていただくことができました。
魔法のiらんどのりかりーの作品の表紙を観ていただきたいです(^o^)v
よろしくお願いいたします。
(*^^*)