しばらくして、

落ち込んだ表情の唯と勇気君が

私たちのもとに来た。

「ねぇ。愛美、国語のテストが…」

今にも泣きそうな唯。

「はぁ…俺どうしよ…」

2人とも国語のテストの点数が悪かったみたい。

「ねぇ。愛美勉強教えてよ。じゃなきゃあたし
 1学期の期末テストヤバイかも…」

こうやって心配そうな顔をしてる唯は

めちゃめちゃ可愛い。

勇気君が惚れる理由もわかる気がする。

「いいよ。でも、私でいいの?」

「いい!!てか愛美じゃなきゃダメ!!!」

ちゃんと教えられるかな?

勉強は好きだけど、

人にあんまり教えたことない。

「ねぇ。俺も教えてほしいんだけど。」

勇気君も心配そうな顔で言った。

「いいよ!ちゃんと教えられるか心配だけど、
 私が分かるところは教えるよ。」

その言葉を聞いた2人は表情が明るくなって、

唯は私に抱きついた。

「愛美ー!!ありがとー!」

唯の力が強すぎて、うまく呼吸ができない。

「ゆ…い、く、苦しい」

「あ。ごめん、ごめん」

唯が離れたことによって

少し乱れていた呼吸が、整ってきた。

「ねぇ。俺も、勉強したい。」

私たちの話を聞いていたのか、

勉強嫌いの翼が勉強したいって言った。

そんな勇気の言葉を聞いて、

私も唯も勇気君も

大爆笑してしまった。