僕は手に取った本を見た。・・・タイトルはK―1の軌跡だった。
K―1.僕が大好きなこの団体は1993年その産声を上げた。空手、キックボクシング、カンフーの頭文字を取り立ち技最強の格闘技は何か?をコンセプトにワンデー-トーナメントで開催された。

立ち技とは先ほどもでた空手、キックボクシングの他にムエタイ、ボクシング、シュートボクシング、テコンドーなどのことで世界中の格闘技者達が統一されたルールの中闘っていた。
 
第1回大会では7年間無敗を誇ったモーリス・スミスやそのスミスを破り暴君と称されたピーター・アーツが優勝候補に上がっていた。

しかし大会はその思惑通り進まずこの2人はアーネスト・ホーストという当時無名の選手に負け波乱を呼び一気にこのまま優勝かと思われたがこのホーストもまた無名のブランゴ・シカティックに破れ大番狂わせを起こした。

この放送は深夜時間にも関わらず高視聴率で一夜にしてその名を世間に轟かせた。

 その後ピーター・アーツの2連覇や青い目のサムライと言われたアンディ・フグの優勝、マイク・ベルナルドやジェロムレ・バンナ、サムグレコの出現に拍車がかかりアイドル並みに扱われバラエティ番組にも出演しお茶の間を沸かせた。

格闘技の話題はK―1が独占していたといっても過言ではなかった。
さらにワンデートーナメントに参加するため世界各国で予選を行いその国の代表者を選ぶシステムを作りK―1は世界進出を果たし日本国内でも年末にK―1が主催する格闘技イベント
「ダイナマイト!」を興し紅白と同様年末に格闘技を楽しむ人が増えその地位を磐石のものとした。

しかしこの輝かしい軌跡の中にもある一点の曇りがあった。それは日本人のK―1王者が誕生しなかったことである。
日本から発祥し日本で世界大会が行われる日本のK―1。日本人の活躍が芳しく無かった。