「もしもチェ・ゲバラが今生きていたら。」

と書いてあった。
ゲバラ?僕が首を傾げるとそれをみきとしゅんが覗き込んだ。するとみきからゲバラの人となり、キューバ革命とその後の話を細々と聞きやがてその話はラテンアメリカの歴史的現実の皮肉についても語られた。

話が止まらなかったのでぼくはとりあえず話をゲバラに戻した。相変わらず問題の意図が見えない。
みきは時間一杯ゲバラの思想を頼りに世界情勢に当てはめ色々示唆してくれた。

結局ぼくはついていけなかったので安易に人口が1人増えてるだけと答えた。みきは呆れていてしゅんはずっと黙っていた。

こんな昼休みを過ごしまた授業が始まった。満腹で満たされている僕の体は授業を聞くに堪えないほど眠気が迫ってきていた。

仕方なく僕は鞄から無造作に本を一冊手に取った。ついでにしゅんとみきを眺めた。
しゅんはオーケストラの楽譜がまとめられてるスコアを手にイヤホンで音楽聴きながら書き込んでいた。みきは村上 龍著書の愛と幻想のファシズムを読んでいた。お前ら帰れよと小声でいったが二人そろって
「お前もな」と返してきた。