乙女姉さんは僕の幼馴染になる。家も隣で幼稚園から中学校までずっと一緒だっ
乙女姉さんはしっかりものだった。
年は1つしか違わないのに小さい頃の僕の面倒を観てくれて本当のお姉さんみたいだった。昔は乙女ちゃんとか乙女とか呼び捨てにしていたけどいまは乙女姉さんが定着した。

成績優秀。スポーツ万能。才色兼備。肌が白く長い綺麗な黒髪を束ねたポニーテールが良く似合った女の人だった。

毎朝自分の分のお弁当を作っていた。高校に進学した僕が毎日菓子パンを食べていると言ったら次の日から僕の分のお弁当も作ってくれるようになった。僕のお母さんは最初は断ったけど菓子パンしか食べていないのをしって結局お願いすることになった。

母も仕事をしているのでどうしても作れなかったのと乙女姉さんが一度言いだすともう止まらない事を知っていたからである。

僕も乙女姉さんの弁当は嬉しかった。ただ一緒に付いているスプーンとフォークがウルトラマンだったりウィーンナーが蛸の形になっていたりしていた。いつまでたっても子供扱い。たった1つしか違わないのに。さらにこのお弁当には手紙が毎日入っていた。

内容は何故かクイズ。この問題はお弁当箱を返すとき答えを言う訳だが外れても特に無い。ただ答えが当たると次の日のお弁当の中身の一品をリクエストできる。

乙女姉さんが何を考えているのか良く分からないが今日までそのシステムに乗っかってあり難くお弁当を頂戴しているわけである。