私は昨日のメールを思い出した。

<ロッカーに、教科書とノート忘れて来ちゃった!やばい、どうしよう>

そんなの、ウソに決まってる。

だけど、どうしても他に「ろ」で始まる言葉が出てこなかったんだから、仕方ないじゃない……。

「まぁ……その……あれにはいろいろと事情があったんだよ……」

「うん。知ってた」

ヤマタロは、サラリと言ってのけた。


そして、小さなため息をついて、自分の手を優しく私の頭の上にのせた。


「なぁ……もうちょっと、肩の力抜けない?」

そう言って、私の顔をのぞく。


オイ!

近いよ!

顔が近いよーっ!!