オレは息をのんだ。そして

「何でわかったんだ?」

と深月の背中に向かって聞いた。


すると、深月は制服の袖で涙をごしごし拭いたあと、振り返った。


その顔は……





いつもと変わらない、笑顔だった。






「ヤマタロのことなら顔を見なくても分かるよ。だって私たち、仲良し4人組じゃん!」

目が真っ赤なくせに。
さっきまで泣いていたくせに。

何頑張ってるんだ、コイツ。

慎に俺たちの関係を責められたんだろ?

なのに、どんな思いで「仲良し4人組」なんて言ってんだよ。

肩をまだ震わせているくせに。

何笑ってんだよ。


……わけ、わかんねぇ。


オレは、深月の小さな肩を抱き寄せたい衝動に駆られた。


コイツを守ってやりたいと思った。