*莉菜side*

「おはようございます、お嬢様!!」
「あー、よく寝た!おはよーさんっ♪」
あたしは布団をひっぺがすとオニーサン達に挨拶をした。
今日もゴツいね!!
アンタらみんなボディービルになれるかもよ?
「お嬢様、朝食ができてますが…」
「すぐ行く!」
「承知しました!」
そういうとオニーサンは襖を閉めた。
なんかさ、もっとこう…
ねぇ?
丸くなればいいのにさ…
堅すぎなんだよね、オニーサン達は…
「まぁ無理ないか…」
あたしは1人呟いた。
なんてったってあたしはパピーの娘。
「華山組」の娘なんだから。
華山組はそんじょそこらのチンピラとは違う正統派極道の家元。
今では政界にまで手を出してる始末だ。
だからと言って残酷なことしたりしない。
パピーがそういうの嫌いだから。
一回、組の人が地域の人達にたかったの。
そしたらさ、パピー物凄い剣幕でブチ切れちゃってさ、抑えるの大変だったよ…
でもね、カッコよかったあのパピー。
なんて言ったと思う?
「俺たちはなぁ、もともと地域の人に見捨てられてもいい存在なんだよ。でもな、一回でも汚く見られたことあったか?そればかりかいつも助けてくれてるじゃねぇか。俺らはな、お互い助け合っていかなくちゃなんねぇんだよ。だからよ、オメェこれやっからよ、詫びてこいや」
って言って10万あげたの!
まさかここまでするとは思わなかったな…
でも、それだけ周りの人をたいせつにしてるんだなって思った。