「……哀れな獣?」


リクが口を開いた。


「死に損ないみたいなもんだ。まあ、生きていないんだけどな。陰の気だから」


「陰の気?」


続いて口を開いたのは春歌だった。


「細かく話すと、魂魄は、魂と魄という2つの異なる存在に別れる」


……ん?


「魂と魄は、易の思想と結び付く。魂は陽に属して天に帰し、魄は陰に属して地に帰すと考えられていた」


んんん?


「だが、無事帰されなかった場合、さっきの獣の様に狂暴化。暴走を始める。死ぬまでな」


ぞくっ


良く話はわからないけど、死ぬまで暴走を続けるだなんて……