そんな事言われたって……無理なもんは……


「何時までも迷っているとな……」


暁は組んでいた腕離し、鋭い目付きで言った。


シャアァッ!!


同時に何かが霧の中から、暁に飛び掛かった。


「暁!!」


……筈だったが、


ズパッ


飛び掛かる直前に、それを鎌で斬っていたようだった。


「……っ」


「死ぬぞ?」


斬られたものは、血飛沫を上げて床へと落ちた。


落ちたものを、まじまじと見てみると、確かに犬とは言い難いものだった。


勿論、猫にも似ていない。


“獣”


この単語が、一番当たっているようだった。