「え……じゃあまさか、昶を殺しに来たのか!?」



「さっきも言ったであろう、
話をしに来ただけだと

殺しはしない。我はな。

だが他の者は殺しに来るだろう。
魔狐をお前等が殺さないのであれば、用心するのだな。」




そう言うと、妖怪は消えてしまった。



妖怪が消えると、晴輝は一目散に昶の方へ行った。




「ほんとに…気を失っているだけみたい…」




ほっとしていると、晴輝の父が話した。




「魔狐は危険だ
陰陽師も見つけたら排除しなければならない。

お前はどうするんだ?」




晴輝が決心した目になって言った



「アイツが“殺さないなら”って言ってたけど、俺は昶を見捨てたりしないからな!」



「じゃあ晴輝、他の陰陽師たちに魔狐だってことを悟られないようにしろよ

お前はすぐ顔に出るんだからな」




父が笑いながら言うと、
晴輝は「だっ…大丈夫だっつーの!」と言いながら顔を赤くしていた。