「そうだ!昶は!?」




晴輝が取り乱して言うと、
目の前にいる妖怪が答えた。




「ここに居る。」




妖怪が指した方向はベッド。

昶はベッドの上で気を失っているようだった。




「昶!!」



「大丈夫だ。
気を失って貰っただけだ
何もしてはいない。」



「お前はなんだ?
何をしに此処へ来た?」



晴輝の父が警戒しながら聞いた。




「我は、お前等二人に伝えに来たのだ。

この、魔狐の事をな。」



「昶の…?」