「………魔狐…だと?」
晴輝はとりあえず、昶が妖怪だということは伏せて、魔狐という妖怪がどういうものなのかを聞いてみた。
「お前…どこでその言葉を知った?」
「え……よ、妖怪がそう言ってて…」
あながち間違ってはいない。
昶は妖怪だし。
「そうか…魔狐という妖怪はな、
一万年に一匹生まれる漆黒の毛に深紅の瞳を持つ狐の妖怪だ」
「一万年に一匹!?」
どんだけだよ!
それに漆黒の狐など見たことがない。
普段の狐は……
「金色に近い色だ」
だよね…
って心読まれてるし!
「お前はすぐ顔に出るからな。
…魔狐は他の狐より何倍もの力を持っているらしい。
そしてその狐の一族では危険物として処理するらしい。」
「処理って…」