夜10時

夕飯も食べ終え、リビングでテレビを見ていると、いきなり扉が開いた


「ふぇ…輝っ…ごめな…さい!!」


開いた扉の向こうで、メイド姿の葵が泣いていた

はたして、どれに対してのごめんなさいなんだ?

料理を作れなかったこと?

俺を襲ったこと?

酔いつぶれたこと?


「お誕生日…プレゼントに…作ってあげようと思ったのに…いつの間にか、寝ちゃってて…ごめんなさい」


ポロポロと涙を流しながら、謝る葵

いつの間にか寝た…ね

酔った記憶無さそうだなぁ…
まぁ、いいけどさ
とりあえず今は、葵の涙を止めないとな


「また、今度作ってくれればいいから。泣かないで?…お腹空いてない?」

「…空いた…」


そう言った葵をテーブルに着かせて、俺特製カレーを出す

カレーしか作れないからな