「みずほちゃん綺麗ね」

俺はその声に驚き、慌てて振り向いた。

見るとお祖母ちゃんがアルバムのみずほを見ていた。


俺も見たくなって、お祖母ちゃんの隣に移動した。


小さなみずほはお花畑の中で微笑んでいた。

大きなみずほは俺の隣で微笑んでいた。

その屈託のない笑顔はもう見られない。

急に胸が締め付けられる。

俺は悲しみの中にいた。




「あっ!」
突然お祖母ちゃんが変な声を出した。


「この子よ。トイレに居た子は」

俺はその言葉が、イトコの女の子に向けられたんだ思った。


「あっトイレの事はなし、傷付くと思うから」
俺はそっとお祖母ちゃんに耳打ちをした。