みずほのコンパクトに触れてみた。


あの日の会話を聞きたかった。


優しいみずほと出会いたくて……


このコンパクトが全てを見せてくれる。
何故だか俺はそう確信していた。


でもそうは問屋は卸さないようだ。
俺は混乱していた。


(――何故だ……
何故見せてくれない)

俺は恐る恐るコンパクトを開けて、
《死ね》
の文字を見詰めた。