気が付くと、いつの間にかお祖母ちゃんが俺の手を握り締めていた。

言葉なんかなくても、優しい心遣いが身に染みた。


俺の恋心として、みずほを初めて紹介したのはお祖母ちゃんだった。

お祖母ちゃんは相当驚いたようだった。
俺が好きなのは、小さい時から何時も一緒にいた千穂だと思っていたいたようだ。


でもみずほの優しさを目の当たりにして、安心したように俺に言った。


『これで、思い残す事はなくなったわ』
と。

でも俺は、もっともっと長生きしてほしいと思っていた。




みずほのお母さんはアルバムを持っていた。
訪れた人達に、みずほを感じて貰いたかったのだ。


何時までも忘れないでいてほしいとの意味を込めて。