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 日曜の朝。

 自室のベッドに座ったまま、メイは困っていた。

 クリスマスの服を買いに行かなければならないのだが、どういうものを買ったらいいのか、まったく分からないのである。

 パーティの主旨を、もっとよく聞いておけばよかったと後悔する。

 しかし、まさか自分が本当に行くことになるとは思ってもみなかった。

 主催者であるハルコに付き合ってもらうのが、一番いいのだろうが―― ここで、ハタとメイは困った事実にぶち当たったのである。

 電話番号を知らないのだ。

 いつも、向こうから電話がかかってくる。

 こっちの方から、切実に呼びかけることがなかったために、いままでその事実に気づきもしていなかったのだ。

 電話があることさえ、よく忘れそうになるのだ。

 鳴った時は、心臓が飛び出しそうになるほどで。

 おそるおそる取ると、ハルコだったり、あのアオイという人だったり。

 あの後、二回くらいセールス関係の電話がかかってきたくらいか。

 メイは、あのセールス電話に弱い。

 ついつい聞き入ってしまったりして、切るタイミングを逸してしまうのだ。

 おかげで、断るのに苦労した。

 カイトなら、問答無用で電話を切りそうだ。
 シュウなら、相手の弁舌にもうち勝つ論法を持ち出して撃破しそうである。

 そこまで想像したら、笑ってしまったが。

 意識が脱線したことに気づいて、メイは修正した。

 ふぅ、とため息をつく。
 今日のカイトは、まだ起きてくる気配はない。

 最後は―― まあ、今日明日でなくてもいいか、と決着した。

 クリスマスまで、もう少し日があるのだから。

 それに、ハルコのあの様子からすれば、また遠からず遊びに来てくれるだろう。
 平日の方が、カイトの目を気にせずに買い物に行けそうな気もする。

 そこで気をつけなければならないのは、余り高い服を見立てられないように、ハルコを止めることだった。

 その可能性は、いままでのことを考えると多いにありそうなのだ。