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 起きたら―― 昼のかなり前だった。

 もう一度寝ようと思ったのだが、次に起きたら夕方だった、などという事態になったら大変だ。

 カイトは、不承不承ベッドから出た。

 夕方に目を覚まそうものなら、メイを悲しませるんじゃないかと思ったのだ。
 昼には起きると、宣言してしまったのだから。


 たかが女のとの約束のために、早く起きる日が来るとは。

 約束の時間を守らないことで有名だったはずの彼が、いまではこのザマである。

 いつもの自分のかけらが、また壊れて弾け飛んだ。

 バカか、オレは。

 自分を罵倒しながらも、昼までパソコンの前に座ることになった。