(萌!杉山君の隣で歩きなよ!)
(えー無理無理!)
「ん?なんか言ったか?萌、矢島」
「えっ!言ってないよ!ね?萌♪」
「えっあっうん!なんも言ってないよ!」
「ハハハ!萌テンパりすぎ!おもしれーな!」
「笑い事じゃないー!」
なんだ、いい感じじゃん!
いいな…私も勝広とこうやってばかしたかったな…。
二度とできないのかな…。
「愛莉愛莉愛莉!」
「どうした亜由実?」
「あれ…勝広じゃない?」 「本当だ!」
「仲直りしてきなよ!」
「…いいよ」
「んもう!はやく!!」
「…もういいんだってば!!!」
あっ……。
「愛莉……?」
「あっ……ごめん。」
「あれ?亮輔っちじゃん、なにやってんの?」
勝広自ら杉山君に話しかけた。
「買い物ーそっちは?」
「俺っちも!」
なんか今朝と違っていつもどおり元気じゃん。
どうせ私ばっかり心配してたんだよ。
「つかどうした?長谷川の声めっちゃ聞こえたぞ」
「長谷川と矢島がな(汗)」
「矢島もいるんだ……」
‘矢島もいるんだ’
なにそれ、気づかなかったんだ。
私がいるのに杉山君に話しかけるから
期待しちゃったじゃん。
ばかみたい。