「…っやっぱりここにいた」



よかった。



間違ってなかった。


「本っ当好きだよね。図書室」


「………笑…落ち着くし、ばれねぇし」


「あたしにはばれたぢゃん…笑」


小学校の時、あたしだけ休んでて借りてた本を返却しなくちゃいけなくて、放課後に図書室に行くと、ケージが寝ていた事があった。




「そうだったな。」


「うん……そうだよ」



「…………俺……さ、歩香に話があるんだけど」



……?何だろ…?


「…………な……に?」


「………っ俺、桜木と別れたんだ。」


……その事か…。



「…………知ってるよ。奈々子に聞いた」


「そっか………」


「うん…………」


聞きたい事はたくさんあるんだけど、聞けない。


「俺、最近歩香と話さなくなって、嫌だと思った。」


「……うん……」


「いつの間にかあった、俺達の距離に嫌だと思った」

「……うん…っ…」


ケージが言ってる言葉を聞くと、自然に涙が出てきた。



「俺、歩香が隣に居なくなって、初めて気づいたんだ。」


「…………えっ…?」





「………歩香が好きだ、って事に」






う…………そ……でしょ?



「……………」