微妙な空気のまま昼休みが終わり、次の授業では席替えがあった。
くじを引き、番号の席の所に自分の机と椅子を置きに行くと、前の席が、紗江だった。
「難しそうな本よんでるねっ!!面白い?」
「………………うん」
すっごい無愛想だったけど、返事をしてくれて嬉しかった。
あたしは、どちらかと言うと、あんまり初対面の人に話掛けたりしないタイプなんだけど、紗江と話したい、と思った。
「あたし、月本歩香っ!!よろしくねーっ」
「…………矢崎紗江…」
「紗江って言うんだっ!!下の名前で読んでも良いっ!?」
「うん…………」
「やったっ♪ぢゃぁ、あたしの事も歩香って呼んでっ」
それからあたしは、毎日のように紗江に話掛けた。
一方的だったけど。
「ねぇっ今日遊びに行かないっ!?」
断られるのは目に見えてるけど、言ってみた。
「…………いーよ」
…………………
「まぢっ!!やった♪ぢゃぁ行こうっ」
「それより………どこに行くの?」
「…………………」
やばいっ。
考えてなかった。汗
「ファミレスにでも……♪苦笑」
「うん……………」