「ねぇっ!!歩香はどう思う!?」
いきなり話を振られて驚いた。
「どう……って何が?」
「矢崎さんの事ーっ!!」
そう言った時、寂しそうにあたし達の方を見ている紗江が、目に入った。
「あたしは、そんなくだらない噂信じないよ。」
「噂ぢゃなくて、本当なんだってー」
どっから出てくるんだよ。
その自信。
「ぢゃぁ証拠は?矢崎さんがそんな事してるって見た人がいるの?」
「それは………………」
「確信がないなら、あんまりそういう事言わない方がいいと思うよ。」
「…………………」
あたしがそう言うとみんな下を向いて黙ってしまった。
「自分達だって、そんな何の根拠もない話、されてたら嫌ぢゃん?」
「「…………………。」」
ってかまたやっちゃった。
感情的になると、ついつい文句を言ってしまうあたしの悪い癖。
まぁ、間違っちゃいない事だけど。
「ごめん。ちょっと言い過ぎた。」
「……………いや…歩香は悪くないよ。やっぱ嫌だよね、…………ごめん。」