「で、次のワンタッチだが」

「どうしてタッチするのか、
理由が解らない。といった所か?」


俺の続けようとしていた言葉を、
見事に彼は読み取り、言い当てた。

「さすがだな」

「なんせ恋人だからな」

お前の事はよく解る、と
自信満々に彼は告げ、
そして理由を述べ始める。


「今スケッチをするのに、
相手の事をじっくり見ただろう?」

「ああ、見た」


「見ている内に、触りたくなる
我慢しているが、つい手が出てしまう。
それでワンタッチなんじゃないか?」

「なるほど」

確かに、触りたいと思う。

スケッチも描き終えた事だし、
納得して、俺は彼に手を伸ばした。