「完成した」

「おお、いい出来じゃないか」

俺の腹部に描き上げられたのは、
20代半ばであろう人物の横顔。

しかしそれは、
俺でも彼でも無い。

しかも不機嫌そうだ。


「ところでこれは誰なんだ?」

「アイツだ」

指さす方を向くと、
この部屋の持ち主が
周りに冷たい空気を持ち、こちらを睨んでいた。



「ああ、先生だったのか」

「丁度見やすい場所にいたからな」

モデルとなった人物に納得していると
それまで口を開かなかった先生が言葉を発した。