空を見上げると、太陽が僕を見つめていた。

窓を通してではなく直接だ。

こんなにもドキドキした日は今までにあっただろうか。

深く息をして朝の香りを体中に巡らし、僕の体はうずいていた。

よし…行こう。



ここから始まるのだ。

ここがスタート地点。

ゴールのない旅に意味なんてあるのだろうか。

家出してどうするのだろうか。

結局は家に戻ってしまうんだろうけど、先のことは考えないようにしよう。

今はただ、歩こう。

右手に持っていたリュックを左手に持ち直して、僕は家の門を出た。