振り向くとそこには知らない男の人が立っていた。 暗くて顔が見えないけれど、空気が物凄いことだけはなぜか分かってしまう。 「…あ゛?なんだよ、テメェー」 あたしの腕を掴んでいた男が、後ろの人に低い声で言った。 け、喧嘩? ここで、意味の分からない喧嘩でもするのか? 「離せ」 その人は腕を掴んでいる男には負けないような低い声でそう言い放った。 「誰だよ、お前――――――」 「やめろ、一也!この人…相堂組の奴だ!!」 ―――――相…堂…組? なんだそれ。 劇団?