私、翅が欲しかった。
綺麗な翅が欲しかった。
飛びたかったの。
陽の光を浴びて、貴方の元へ飛びたかった…
叶わない夢を見てた。
‥‥蛹だった私。
―あれから、二年が過ぎていた。
「あ…久しぶり。」
「っ…ひさ、しぶり‥‥」
予期せぬ再開に驚いてた割りには、きっと上手く言葉をかけれたと思う。
貴方の方が、こうゆうのは得意だったのにね。
「元気にしてた?」
「…あぁ。まー、普通?」
「そ。変わってないね。」
貴方の方が緊張している様。
何だか少し意地悪だけど、嬉しい何て思った。
…私ね、羽化したの。