すると守崎君は時計を見て、



「あっ、俺、戻らなきゃ。」



と、呟く。

アタシは何も言えない。



「あのさ……。」



「……。」



「眼鏡の事……なんだけど、俺……。」



眼鏡の事なんて、もう言わなくていいのに。

―――アタシは眼鏡とサヨナラしたんだから。