―――それから一ヶ月後。



たまたま廊下で瑞江君と擦れ違う。



「あっ、千明ちゃん、ひっさしぶりー!」



相変わらず、瑞江君は軽いノリで話しかけて来た。



「ひ、久しぶり……。」



「ケガ治った?」



「うん……たいした事無いから。」



「なら、良かった。
そうだ、これあげるから、また来なよ。」



瑞江君はポケットから、バイト先のクーポン券を出して、アタシに押し付けるように渡した。