きっと森本さんはその時、


 一生で最も大きなショックを受けたのではないでしょうか。




 自分の将来を深い深い泥沼の中に投げ捨て、

 庇う理由もない者を、なぜか庇ってしまったという嫌悪感。

 そして、大事な親友を地獄へと繋がる道へ、

 導いてしまったという罪悪感。




 でも、一番ショックだったのは、

 行き場の無いこの心情と、

 誰も傍にいてくれない孤独な将来への不安だったと思います。




 なぜ、そんな気持ちでいる森本さんに気付いてあげれなかったのでしょうか。