義務教育でも何でもない高校という場は、

 家庭内の事情に首を突っ込んではいけません。



 そう初めに言い出したのは、

 教頭先生でしたね。



 最初は疑う気もありませんでした。

 なぜならそれは、普通の教頭先生だったら当たり前のことだからです。



 学校内での問題を全て問われるのは教頭先生ですし、

 私も迷惑はかけてはいけないと思い、

 森本さんの中退を残念に思いながらも、



「輝く将来に向けて頑張って下さい。」



 と一言、声をかけることしかできませんでした。