「えっ……ええええっ!?」
私の悲鳴に近いような声に、彼の身体がかしいだ。
「……うるせぇって。いちいち叫ぶな」
「あ、ご、ごめん……でも、いきなりすぎて」
予想もしない角度からの、夢にも思わない単語だったんだから。
こんなの、平静でいられるわけがない。
「なんでだよ。恋人ならデートすんだろ」
「そ、そうだけど――」
「デートよりキスが先とか?」
奏は、いうが早いか、私の頭の後ろに手をそえて。
もう一方の手のひらで前髪をくいっとあげ、あらわなおでこに……。
メニュー
メニュー
この作品の感想を3つまで選択できます。
読み込み中…