「えっ……ええええっ!?」




私の悲鳴に近いような声に、彼の身体がかしいだ。



「……うるせぇって。いちいち叫ぶな」


「あ、ご、ごめん……でも、いきなりすぎて」



予想もしない角度からの、夢にも思わない単語だったんだから。



こんなの、平静でいられるわけがない。



「なんでだよ。恋人ならデートすんだろ」


「そ、そうだけど――」


「デートよりキスが先とか?」



奏は、いうが早いか、私の頭の後ろに手をそえて。


もう一方の手のひらで前髪をくいっとあげ、あらわなおでこに……。