にいっと私を見下ろす屈託のない笑顔は、初めて、ふつうの高1のそれに思えた。




(こんな表情、素敵すぎてやばいよ……)




「出せって。ケータイ」



奏は、いいながら片手に持った携帯電話を、シャッとスライドさせた。



表面が黒い砂を敷き詰めたみたいにざらっとしてる本体で、カメラに特化した最新モデル。



液晶の上部分に印字されたロゴに、私は反応した。



「お、同じ……」


「ん?何がだよ?」


「ケータイの、会社……」


「そんなのもともと数社だけだし。かぶっても変なことねぇだろ」


「あ、うん。そうだね……」