「ごめんなさい……」



理由は見当もつかないけど、私はともかく謝った。



「は?なんで急にごめんなさいなんだ?」



成績表を閉じながら、奏が首をかしげる。



「なんか、傷つけちゃったみたいだから。奏のこと」



大好きな人にさびしげな顔をさせてしまう私は、やっぱり彼女失格なのかな――。



わずかな凹みを見つけると、すぐにネガティブたちがわやわやとたまってくる。





「……違うし」


「えっ?」





(何が『違う』の?だったら、どうしてそんな暗い顔するの?)