「なんかごめんね、由香…。」

「…え?」


顔を佳織に向けると、申し訳なさそうな顔をしながら私を見つめていた。

「私が変なこと提案したせいで……。」

「…気にしなくていいよ。これくらい我慢できなくちゃ。」

「でも……」

「ほらっ、佳織、隣のクラスの子に何か頼まれたんじゃなかったの?」

何か言いかけた佳織の言葉を遮りながら言うと、「そうだった!」と慌てて時間を見て鞄を持つ佳織。


「ごめんね…あと1日頑張って!」


佳織はそう言うと教室を出て行った。

私は体育館を見るのをやめて机に突っ伏す。

窓からは部活をする声が聞こえる。