「……これ以上由香といる時間なくなったら俺、マジで死んじゃう…。」


いつもの明るさはなく、暗く沈んだ声。

佳織と斉藤くんもお互いに顔を見合わせている。

「翔太……。」

…初日からこんなことになるなんて…。


すると佳織が「うーん」と唸った後、口を開いた。

「…じゃ、手を繋ぐのはありにしよう。」

「……え?」

翔太が顔を上げ、佳織を見る。


「それ以上暗くなったら部活とかにも支障がでるかもしれないし。それはちょっと困るもの。」

佳織がそう言うと、隣でうんうんと斉藤くんも頷く。

翔太はしばらく考えた後、静かに首を横に振った。