「あれ、どうしたの天宮。」

佳織が興味津々な様子で翔太を見る。

翔太は何も言わずに腰掛けると、そのまま机に突っ伏した。

「しょ、翔太…?」

ここまで暗い翔太はほとんど見たことがない。

声をかけても返事は返ってこず、それを見た斉藤くんが苦笑しながら言った。

「明日から今週末の試合に向けて急遽残り一週間、朝練が始まるんだよ。」

「え。」

「そしたら由香ちゃんと登校できないからって落ち込んでんの。」

やれやれ、と首を横に振る斉藤くん。

…でも一週間って……。


「それってちょうど“由香禁止令”と同じじゃない。」

私が思っていたことを口にする佳織。

すると机に突っ伏していた翔太がピクリと反応する。