“一週間由香禁止令”初日。

「行ってきまーす。」


いつものように家を出て、翔太と手を繋ごう…とした時。

「はいストーップ。」

聞きなれた声がすると同時に、引き離すように腕を誰かに掴まれた。


「…佳織!?」

驚きながら後ろを向くと、満面の笑みを浮かべた佳織と、眠そうにあくびをする斉藤くんがいた。

「おはよ、由香に天宮。」

「はよー、二人とも。」

そう言って佳織は掴んでいた私と翔太の腕を離すと、私を自分の方へ引き寄せた。


「なっ…。」

「ダメじゃん、天宮。由香にくっついたら。」

翔太が驚きの声を上げる中、見せつけるように私を抱きしめる佳織。

翔太は悔しさのあまりか、ぷるぷると震えている。