「おーい、大丈夫か、佳織ー。」

斉藤くんが笑いながら佳織の頭をポンポンと軽く叩くと、ふらふらとしながら起き上がり、ぎゅっと手を握りしめた。

「……ダメだわ……。」

下を見ながらボソボソと呟く佳織。

「…二人を正さないと…。特に天宮……。」

「…佳織?」


おもわず声をかけるが反応がない。

斉藤くんを見ると、楽しそうに笑うだけだった。

「……天宮ぁ!!」

突然の大声に体を震わせ佳織を見ると、佳織が翔太に向かってビシィッ!と指を突き出していた。