翔太の言葉、ひとつひとつに小さく相槌を打つ。

翔太は髪を撫でていた手で私の頭をぎゅっと自分の胸に押しつけながら、そのまま体も抱きしめる。


「由香が頭打って保健室いるって聞いて、ほんとに焦った。」

「……心配してくれたの?」

「当たり前!俺授業抜けようかと思ったもん。」


そしてぎゅーっと抱きしめる力を強くする。

私はそこで気になっていたことを思い出した。


「翔太、今何時?」

「俺が来たのが6時間目終了直後だから…4時くらい?」

私が保健室来たのがちょうど5時間目終了くらいだから……一時間くらい寝てたのか…。


「…って翔太、終礼は?」

「ん?抜けてきた。」


「由香が心配だったから」と当たり前のように言う翔太。